【看護師の給料が割に合わない？】給料アップ実現の秘訣を現役転職コンサルが徹底解説

「このハードな仕事内容の割に給料が安すぎる…」「看護師を続けていく意味があるのか分からなくなってきた…」

このように感じている看護師の方は決して少なくありません。私も看護師として10年間働く中で、同じような思いを抱えていました。

夜勤、残業、休日出勤。そして何より、患者さんの命を預かる重責。これだけの負担があるにもかかわらず、給料は期待するほど上がらない。そんな現実に直面し、看護師を続けることに疑問を感じ始めている方も多いのではないでしょうか。

看護師として10年の経験を積み、その後は看護師転職コンサルタントとして5年間、年間100名以上の看護師の方々のキャリア相談を担当してきた私だからこそ、この悩みの本質と、それを解決する具体的な方法をお伝えできます。

実は、給料が割に合わないと感じる背景には、いくつかの明確な理由があります。そして、その状況を改善するための具体的な方法も存在します。

この記事では、看護師の給料が割に合わないと感じる理由を徹底的に解説し、その改善方法をお伝えしていきます。

1.看護師の給料が割に合わない理由と実態を徹底解説

1-1.給料と労働量のアンバランス

看護師の給料が割に合わないと感じる最大の理由は、仕事の負担と責任の重さに対して、給与が見合っていないことです。

日本医療労働組合連合会の調査によると、看護職員の64.1%が月5時間以上の時間外労働を行っており、そのうち19.4%は月20時間以上の残業をしているとされています。

しかし、これは氷山の一角に過ぎません。実際には、勤務時間外の申し送りや記録の作成、患者さんへの対応など、「サービス残業」として処理される業務が多く存在します。

私の経験からも、このような状況は珍しくありません。例えば、夜勤の準備を早めに始めたり、勤務終了後も記録を完成させるために残ったり。こうした「見えない労働時間」が、看護師の負担を重くしているのです。

1-2.看護師の給料相場と労働時間の現状

では、具体的な数字で見ていきましょう。看護師の給料は、経験年数や勤務形態、病院の規模によって大きく異なります。

以下の表は、一般的な総合病院における看護師の経験年数別の給与相場です。

2交代制の場合、1ヶ月に平均7～8回の夜勤があり、1回の夜勤は13時間を超えることも珍しくありません。

3交代制でも、6割以上の看護師が11時間未満のインターバルでの勤務や、6日以上の連続勤務を行っています。

この労働実態に対して、一般的な看護師の給与水準は以下のような傾向にあります。

特に注目すべきは、夜勤や残業などの「過酷な労働」によって得られる手当が、給与の重要な部分を占めているという点です。

つまり、基本給だけでは十分な収入を得られない仕組みになっているのです。

1-3.給料が割に合わないと感じる3つの原因

これまで給料の実態について見てきましたが、看護師が給料が割に合わないと感じる原因には、さらに深い理由があります。私が看護師として働いていた時の経験と、転職コンサルタントとして多くの看護師の方々の相談に乗ってきた経験から、主な原因は以下の3つに集約されます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務量の増加に給料が追いついていない

医療の高度化や入院患者の重症化により、看護師一人あたりの業務量は年々増加しています。電子カルテの導入や新しい医療機器の操作など、覚えるべき業務も増える一方です。しかし、そうした業務の増加や難易度の上昇が、給料に十分反映されていないのが現状です。

キャリアアップと給料の連動が不十分

多くの病院では、経験年数に応じた昇給システムが一般的です。しかし、認定看護師や専門看護師などの資格を取得しても、それに見合った給与アップが実現されないケースが少なくありません。専門性を高めても収入に反映されにくい構造が、モチベーションの低下につながっています。

夜勤・休日出勤の負担が大きすぎる

日本看護協会の調査によると、看護管理者の約48.7%が労働時間管理に課題を感じています。特に夜勤や休日出勤の人員配置が難しく、一人あたりの負担が増えがちです。こうした不規則な勤務による心身への負担を考えると、現在の夜勤手当や休日手当は十分とは言えない水準なのです。

1-4.他病院の給料水準を知る方法

給料が割に合わないと感じたとき、まず確認すべきは他の病院の給料水準です。自分の給料が適正なのか、より良い条件の病院があるのか、具体的に知ることが重要です。

給料水準を知るための情報源

国家公務員として勤務する看護師の平均年収は567万円程度とされています。これは、看護師の給与水準を考える上での一つの目安となります。ただし、実際の給与は地域や病院の規模、診療科によって大きく異なります。

そこで、より正確な情報を得るためには、以下の方法が効果的です。

・看護師専門の転職サイトを活用する
これらのサイトでは、地域や病院の規模、診療科ごとの具体的な給与情報を確認できます。

・看護師転職エージェントに相談する
私たち転職エージェントは、多くの病院の詳細な給与情報を持っています。また、表面的な給与額だけでなく、実際の労働環境や将来性まで含めた総合的なアドバイスが可能です。

なお、給与水準を調べる際は、基本給だけでなく、夜勤手当、残業手当、賞与なども含めた年収ベースで比較することが大切です。また、勤務時間や夜勤回数なども合わせて確認しましょう。そうすることで、より正確な労働対価の比較ができます。

2.給料が割に合わないと感じた時の具体的な改善方法

これまで、給料が割に合わないと感じる原因や、他病院との比較方法について詳しく見てきました。では、給料への不満を感じた場合、具体的にどのような改善方法があるのでしょうか。

それぞれの方法について、実践的な対策をご紹介していきます。

2-1.❶現職場で給料をアップする方法

現在の職場で給料アップを目指す方法として、実際に成功例の多い3つの方法をご紹介します。

それぞれの方法について詳しく解説していきます。

残業時間の適切な申告

多くの看護師は、残業時間を正確に申告していない傾向にあります。記録の入力や申し送りの準備など、「サービス残業」として処理されがちな時間も、れっきとした労働時間です。これらを適切に申告することで、残業代の増加が期待できます。

夜勤回数の調整

夜勤手当は看護師の収入の大きな部分を占めます。可能な範囲で夜勤回数を増やすことで、収入アップを図ることができます。ただし、これは一時的な対応に過ぎません。心身の健康を損なわないよう、慎重に検討する必要があります。

昇給交渉の実施

多くの看護師は昇給交渉をためらいがちですが、実は効果的な方法の一つです。具体的な成果や取得した資格、担当している業務の重要性などを整理し、上司と建設的な話し合いを持つことで、基本給のアップにつながる可能性があります。

2-2.❷転職で給料アップを目指す方法

現職場での給料アップには限界があります。より大きな収入アップを目指すなら、転職という選択肢も視野に入れる必要があります。

実際、私が支援してきた看護師の方々の多くが、転職によって給与の大幅なアップを実現しています。

希望条件の明確化

給料だけでなく、勤務体制、夜勤回数、休日数など、自分にとって譲れない条件を明確にしましょう。以下のワークシートを使って、あなたの希望条件を整理してみましょう。

情報収集と比較検討

複数の病院の求人情報を比較検討することが大切です。ただし、一般的な求人サイトでは、給与の詳細や職場の実態まで把握することは困難です。私の経験上、本当に価値のある求人の多くは、一般公開されていない非公開求人であることも多いのです。

転職エージェントを活用する3つのメリット

そこでおすすめしたいのが、看護師専門の転職エージェントの活用です。以下のような大きなメリットがあります。

非公開求人へのアクセス

転職エージェントは、一般には公開されていない好条件の求人を多く保有しています。例えば、私たちのエージェントでは、求人の約70%が非公開求人です。

詳細な職場情報の入手

エージェントは実際に病院を訪問し、職場の雰囲気や人間関係、残業の実態など、表面的な求人情報だけでは分からない詳細な情報を把握しています。これにより、入職後のミスマッチを防ぐことができます。

給与交渉のサポート

転職エージェントは、あなたの経験やスキルを最大限評価してもらえるよう、病院側と綿密な給与交渉を行います。実際、私が支援した看護師の方々の多くが、当初の提示額から30-50万円程度の年収アップを実現しています。

2-3.❸看護師の市場価値を高める資格取得

収入アップを実現する上で、最も確実な方法の一つが専門性を高める資格の取得です。

これらの資格は、取得に時間と労力がかかりますが、長期的なキャリアアップと収入アップにつながる重要な投資となります。資格を持っているということは、転職時の交渉力も大きく高めることができます。

なお、資格取得を目指す場合は、現在の病院の支援制度の有無も確認しましょう。資格取得支援制度のある病院に転職することで、よりスムーズなキャリアアップが可能になります。

3.理想的な給料と働き方を実現するために

給料アップの具体的な方法について見てきましたが、本当の意味で満足できる看護師人生を送るためには、給料だけでなく、働き方全体を見直すことが大切です。

3-1.働き方改革が進む病院の特徴

私が転職コンサルタントとして多くの病院を見てきた経験から、働き方改革が進んでいる病院には、いくつかの共通点があることが分かっています。

以下の表は、働き方改革が進んでいる病院とそうでない病院の特徴を比較したものです。転職先を検討する際の参考にしてください。

働き方改革が進んでいる病院の３つの共通点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

適切な労働時間管理の実施

労働時間管理が適切に行われています。残業時間の上限が明確に定められ、それが現場でも徹底されているのです。また、夜勤後の休憩時間が確実に確保され、連続勤務を避けるためのシフト調整も行われています。

有給休暇の取得率の高さ

有給休暇の取得率が高いことも特徴です。計画的な休暇取得を推奨し、取得しやすい雰囲気づくりが行われています。これにより、看護師一人一人が十分な休息を取り、リフレッシュした状態で働くことができます。

管理職の本気度

看護部長をはじめとする管理職が、看護師の働き方改革に本気で取り組んでいます。現場の声に耳を傾け、具体的な改善策を実行に移す姿勢が見られます。このような病院では、給料の上昇と働きやすさが両立されているケースが多く見られます。なぜなら、離職率が低く、経験豊富な看護師が長く働き続けられる環境が整っているからです。

3-2.給料以外の待遇も含めた総合的な評価

給料は確かに重要ですが、それだけで病院を評価するのは適切ではありません。看護師として長く働き続けるためには、給料以外の待遇も含めて総合的に評価する必要があります。

教育体制の充実度

新人教育はもちろん、中堅看護師向けの継続教育や、認定看護師・専門看護師を目指す際の支援制度なども重要な評価ポイントです。充実した教育体制がある病院では、スキルアップと共に給料アップも期待できます。

福利厚生の内容

院内保育所の有無、住宅手当、退職金制度など、福利厚生も実質的な待遇の一部です。特に、ライフステージの変化に対応できる制度が整っているかどうかは、長く働き続けられるかどうかの重要な判断材料となります。

実際の転職成功事例

ある30代の看護師の方は、給与アップを主目的に転職を考えていましたが、総合的な待遇を考慮して病院を選んだ結果、理想的な環境を見つけることができました。

具体的には、

この方は転職後、「給料面での不満は解消されただけでなく、家庭との両立もしやすくなった」と話されています。実際、転職から2年後には認定看護師の資格も取得され、さらなるキャリアアップを実現されました。

このように、給料以外の待遇も含めて総合的に評価することで、長期的な視点での最適な環境選びが可能になります。

3-3.キャリアプランに合わせた病院選び

理想的な給料と働き方を実現するためには、自分のキャリアプランに合った病院を選ぶことが不可欠です。

例えば、救急医療のスペシャリストを目指すのであれば、救命救急センターを持つ大規模病院が適しているでしょう。一方、ワークライフバランスを重視するなら、夜勤の少ない病院やクリニックという選択肢もあります。

また、将来的に認定看護師や専門看護師を目指すなら、そのための支援制度が充実している病院を選ぶべきです。実際、資格取得支援制度のある病院では、資格取得後の給料アップも期待できます。

大切なのは、「今」だけでなく「将来」を見据えた病院選びです。そのためには、病院の規模や特色、教育体制、キャリアパスなどを総合的に検討する必要があります。

4.看護師として長く働くために大切なこと

これまで、給料アップの方法や理想的な働き方について見てきました。しかし、看護師として長く働き続けるためには、さらに大切な視点があります。

4-1.給料だけでない、やりがいのある職場環境

看護師として10年働いてきた経験から、私は給料の満足度とやりがいには、深い関係があることを実感しています。

例えば、救急外来で働いていた時期。確かに業務は大変でしたが、急変時の対応で患者さんの命を救えた時の達成感は何物にも代えがたいものでした。

また、患者さんやご家族から「ありがとう」と言われた時の喜びは、看護師としての誇りを強く感じさせてくれました。

一方で、いくら給料が良くても、看護の本質から外れた業務に追われる環境では、モチベーションを保つことは難しくなります。実際、転職相談では「給料は良いけれど、事務作業が多すぎて看護に集中できない」という声もよく聞きます。

やりがいを感じられる職場環境には、以下のような特徴があります。

患者さんと向き合える時間が確保されている

事務作業の効率化や業務分担の最適化により、直接的な看護ケアに時間を使える環境が整っています。

チーム医療が充実している

医師や他職種との連携が活発で、看護師の意見や判断が尊重される文化が根付いています。

4-2.ワークライフバランスを重視した働き方

看護師として長く働き続けるためには、仕事と私生活のバランスを保つことが不可欠です。

私が転職コンサルタントとして関わった看護師の多くが、「夜勤と育児の両立が難しい」「プライベートの時間が持てない」といった悩みを抱えていました。しかし、適切な環境を選ぶことで、これらの問題は解決可能です。

このような環境では、自分の生活スタイルに合わせた働き方を選択できます。

例えば、小さなお子さんがいる方なら、院内保育所のある病院や日勤のみの働き方を選ぶことも可能です。

長期的なキャリアを考えたとき、給料の高さだけでなく、自分らしい生活を送れる環境かどうかを重視することが、継続して働ける秘訣となります。

4-3.看護師としての市場価値を保ち続けるには

看護師としての市場価値を維持・向上させることは、長期的なキャリアを考える上で非常に重要です。市場価値が高まれば、より良い条件での転職機会も増え、給与交渉力も高まります。

では、具体的にどのように市場価値を保ち続ければよいのでしょうか。転職コンサルタントとして多くの看護師の転職を支援してきた経験から、特に重要なポイントは継続的な学習だと考えています。

医療技術は日々進歩しており、新しい治療法や医療機器への対応が常に求められます。また、看護の現場でも電子カルテの導入やAIの活用など、デジタル化が急速に進んでいます。このような変化に対応できる力を持っているかどうかが、市場価値を左右する重要な要素となっています。

また、看護記録の作成能力や、多職種との円滑なコミュニケーション能力も、重要な市場価値となります。これらのスキルは、日々の業務の中で意識的に磨いていくことが大切です。

まとめ

看護師の給料が割に合わないと感じる背景には、業務量の増加、キャリアアップと給料の不連動、夜勤・休日出勤の負担など、様々な要因があります。

しかし、適切な対策と環境選びによって、この状況は必ず改善できます。具体的には、

そして最も重要なのは、給料だけでなく、やりがいとワークライフバランスを大切にした働き方を実現することです。

看護師という専門職は、社会からの需要が今後ますます高まっていく職業です。だからこそ、自分の価値をしっかりと見極め、より良い条件で働ける環境を選んでいく必要があります。

現在の環境に不満を感じているなら、それは変化のチャンスです。以下のステップで、理想的な環境への転職を実現していきましょう。

・まずは無料相談から
転職エージェントへの相談は完全無料です。あなたの経験やスキル、希望する働き方をお聞かせいただければ、最適な転職プランをご提案いたします。

・市場価値の確認
あなたの経験とスキルが、現在の医療業界でどれくらいの価値があるのか、具体的な数字とともにお伝えします。

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好条件の非公開求人から、あなたの希望に合った求人をご紹介します。職場の雰囲気や人間関係など、求人票だけでは分からない情報もお伝えできます。

一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。私たち転職のプロフェッショナルが、あなたの経験とスキルに見合った、より良い環境を一緒に見つけていきましょう。