認定看護師を目指そうとお考えのあなた、今どのようなことで迷っていらっしゃいますか?資格取得の条件は?必要な費用は?取得までの期間は?様々な疑問をお持ちのことと思います。
私は総合病院で10年間看護師として勤務し、その後5年間にわたり看護師のキャリアアドバイザーとして、年間100名以上の看護師の方々のキャリア相談・転職支援に携わってきました。
その経験から、認定看護師を目指すあなたが抱える不安や疑問について、詳しくお話しできる立場にいます。
この記事では、認定看護師になるための具体的な要件やステップを、実務経験のある立場からわかりやすく解説していきます。さらに、資格取得後のキャリアパスについても、実例を交えながらご紹介します。
- 認定看護師の役割と仕事内容
- 資格取得に必要な条件と期間
- 取得までの具体的なステップ
- 必要な費用と支援制度
- 資格取得後のキャリアパス
1.認定看護師になるための資格要件と具体的なステップ
認定看護師を目指す方にとって、まず知っておきたいのが資格取得のための具体的な要件とステップです。
看護師としての実務経験や教育課程の受講など、いくつかの重要な要件がありますので、順を追って詳しく解説していきます。
また、資格取得には相応の時間と費用も必要となります。ここでは、実際の取得プロセスについて、必要な準備から具体的な期間、費用まで、詳しくご説明していきます。
1-1.認定看護師とは
認定看護師とは、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護を実践できる看護師のことです。
厚生労働省の報告によると、2020年時点での看護職員の総数は約173.4万人ですが、その中でも認定看護師は、各分野のスペシャリストとして高い専門性を持った存在として評価されています。
認定看護師の主な役割は以下の3つです。
- 実践:特定の看護分野において、熟練した看護技術を用いて、水準の高い看護を実践
- 指導:看護実践を通して、看護師に対する指導を行う
- 相談:看護職者に対しコンサルテーションを行う
順番に解説していきます。
実践について
特定の看護分野において、最新のエビデンスに基づいた看護技術を用いて、水準の高い看護を実践します。例えば、褥瘡管理認定看護師であれば、治りにくい褥瘡の治療計画を立て、最新の処置方法を実践します。
指導について
病棟の看護師に対して、専門的な知識や技術を教える役割を果たします。定期的な勉強会の開催や、新人看護師への指導、マニュアルの作成なども行います。
相談について
看護師だけでなく、医師や他の医療スタッフからの専門的な相談に応じます。患者さんやご家族からの相談にも対応し、より良い看護ケア実現のために調整役となります。
これらの役割を通じて、認定看護師は病院全体の看護の質の向上に貢献し、患者さんにより良い看護を提供することができます。
1-2.資格取得の必要条件と要件
認定看護師の資格を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
まず、基本的な応募要件として、次の3つが必要です。
- 日本国の看護師免許を有していること
- 看護師としての実務経験が通算5年以上あること
- 応募する認定分野での実務経験が通算3年以上あること
これらの条件を満たした上で、日本看護協会が認定する教育機関での6ヶ月以上の研修を受講し、認定審査に合格する必要があります。
特に実務経験については、単なる勤務年数ではなく、その分野での具体的な看護実践が求められます。
例えば、救急看護の認定を目指す場合は、救急外来や救命救急センターでの勤務経験が必要となります。
1-3.資格取得までの具体的な流れと期間
基本的な資格要件を満たしたら、次は具体的な取得の流れと期間についてご説明します。
認定看護師の資格取得は、大きく分けて次の2つのステップで進んでいきます。
- 【Step1】教育課程の受講
- 【Step2】認定審査の受験
【Step1】教育課程の受講
教育課程の受講期間は6ヶ月から8ヶ月程度です。この期間中は、講義や演習、実習などを通じて専門分野の知識と技術を深めていきます。
カリキュラムは共通科目と専門科目に分かれており、合計で615時間以上の学習が必要となります。
教育課程を修了すると、認定審査の受験資格を得ることができます。
【Step2】認定審査の受験
認定審査は年に1回実施され、筆記試験と口頭試問で構成されています。筆記試験では、専門分野に関する知識や最新の医療情報について問われます。
口頭試問では、実践能力や指導力、コンサルテーション能力が評価されます。
認定看護師資格取得までのスケジュール
一般的な資格取得までのスケジュールは以下のような流れになります。
まず教育機関に出願し、書類選考と面接試験を受けます。合格後、6ヶ月から8ヶ月の教育課程を受講します。その後、認定審査を受験し、合格すれば晴れて認定看護師として認定されます。
教育課程の開始時期は教育機関によって異なりますが、多くは4月か10月開始となっています。
出願から認定までの期間を考えると、準備を始めてから認定看護師になるまでには、およそ1年から1年半程度の期間が必要です。
認定看護師資格取得までのスケジュール | |
---|---|
ステップ | 内容と期間 |
1.出願準備 | ・必要書類の準備 ・実務経験証明書の取得 ・推薦状の依頼 (1-2ヶ月程度) |
2.選考試験 | ・書類選考 ・小論文試験 ・面接試験 (約1ヶ月) |
3.教育課程 | ・共通科目(105時間以上) ・専門科目(510時間以上) ・実習 (6-8ヶ月間) |
4.認定審査対策 | ・筆記試験対策 ・口頭試問対策 (2-3ヶ月) |
5.認定審査 | ・筆記試験 ・口頭試問 (1日) |
6.認定 | ・合格発表 ・認定証の交付 (約1ヶ月) |
※全体の所要期間:準備開始から認定まで約1年~1年半
※教育課程の開始時期は教育機関により異なる(主に4月または10月開始)
1-4.必要な費用と支援制度について
認定看護師資格の取得には、主に次のような費用がかかります。
教育課程の受講料は約105万円、教材費が約10万円、認定審査料が51,700円(税込)となっています。これに加えて、教育機関が自宅から離れている場合は、住居費や交通費なども考慮する必要があります。
総合的に見ると、合計で約100万円から150万円程度の費用が必要となります。
ただし、心強いことに、日本看護協会の調査によれば、認定看護師資格取得に対して勤務先から何らかの支援・補助があったと回答した人は69.6%に上ります。
多くの医療機関が認定看護師の育成に前向きな姿勢を示していることがわかります。
支援制度は大きく分けて以下の3つのタイプがあります。
- 勤務先からの支援制度
- 公的支援制度
- その他の支援制度
勤務先からの支援として、授業料の全額または一部補助、教育期間中の給与保障、勤務調整などがあります。
また、日本学生支援機構の奨学金制度や、各都道府県の看護師育成支援制度なども利用可能です。
さらに、教育訓練給付金の対象となるコースもあり、一定の条件を満たせば、教育費用の最大70%が支給されます。
これらの支援制度をうまく活用することで、経済的な負担を大きく軽減できる可能性があります。ご自身の状況に合わせて、どのような支援を受けられるか、事前に勤務先や各機関に相談してみることをおすすめします。
2.認定看護師の具体的な役割と活動内容
資格取得の流れや費用について理解できたところで、次は認定看護師が実際にどのような役割を担い、どんな活動をしているのかについて、具体的にご説明していきます。
2-1.認定看護師の主な業務内容
認定看護師の業務は、大きく分けて以下の3つがあります。これらの業務を通じて、病院全体の看護の質を高める重要な役割を担っています。
- 実践:専門分野での高度な看護ケアの提供
- 指導:他の看護師への教育と技術指導
- 相談:医療スタッフからの専門的な相談対応
実践の業務
特定の分野における熟練した看護技術を用いて、難しい症例への対応や複雑なケアを行います。例えば、褥瘡管理認定看護師であれば、治りにくい褥瘡(床ずれ)の治療計画を立て、最新の処置方法を実践します。
指導の業務
病棟の看護師に対して、専門的な知識や技術を教える役割を果たします。定期的な勉強会の開催や、新人看護師への指導、マニュアルの作成なども行います。研修プログラムの企画や実施も重要な業務の一つです。
相談の業務
看護師だけでなく、医師や他の医療スタッフからの専門的な相談に応じます。患者さんやご家族からの相談にも対応し、より良い看護ケア実現のために調整役となります。また、他部署との連携や調整も重要な役割です。
2-2.21の認定看護分野の特徴と選び方
認定看護師の分野は現在21あり、それぞれの分野で特徴的な役割や必要なスキルが異なります。分野選びは、認定看護師を目指す上で最も重要な決断の一つとなります。
分野は大きく5つのカテゴリーに分類されます。がん看護関連、急性期看護関連、慢性期看護関連、高齢者・生活支援関連とその他です。
認定看護分野の分類表 | |
---|---|
がん看護関連 | ・がん化学療法看護 ・がん性疼痛看護 ・乳がん看護 ・緩和ケア |
急性期看護関連 | ・救急看護 ・集中ケア ・手術看護 ・新生児集中ケア ・小児救急看護 |
慢性期看護関連 | ・慢性心不全看護 ・慢性呼吸器疾患看護 ・糖尿病看護 ・透析看護 ・不妊症看護 |
高齢者看護関連 | ・認知症看護 ・皮膚・排泄ケア ・摂食・嚥下障害看護 ・脳卒中リハビリテーション看護 ・訪問看護 |
その他 | ・感染管理 ・認定看護管理者 |
※各分野の詳細な内容や特徴については、日本看護協会のホームページでも確認できます。
がん看護関連の分野
がん化学療法看護や緩和ケアなど、がん患者さんの治療とケアに特化した専門性を持ちます。抗がん剤治療を受ける患者さんのケアを専門とし、副作用への対応や心理的サポートを行います。
急性期看護関連
救急看護や集中ケア、手術看護など、緊急性の高い場面での専門的なケアを担当します。特に救急看護では、緊急性の高い患者さんの対応や蘇生術の指導を行います。
慢性期看護関連
慢性心不全看護や糖尿病看護、透析看護などが含まれます。長期的な治療やケアが必要な患者さんの生活の質を向上させるための専門的なサポートを提供します。
高齢者・生活支援関連
認知症看護や皮膚・排泄ケア、訪問看護など、患者さんの日常生活に密着した分野を扱います。高齢化が進む現代社会において、特に需要の高まっている分野です。
分野を選ぶ際は、ご自身のこれまでの経験や興味を大切にしましょう。例えば、救急外来での勤務経験が長い方であれば、その経験を活かせる救急看護の分野が選択肢の一つとなります。
また、高齢者の多い病棟で働いている方であれば、認知症看護や皮膚・排泄ケアなどの分野が、その経験を活かせる可能性があります。
各分野の特徴を知り、自分の強みや興味と照らし合わせることで、より明確な目標設定ができます。
そして、その目標に向かって準備を進めていくことで、認定看護師としての活躍の場が広がっていくでしょう。
2-3.一般の看護師との違いと責任範囲
認定看護師と一般の看護師では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。また、どこまでの責任を持つことになるのでしょうか。
認定看護師の最も大きな特徴は、特定の分野における専門的な判断と実践が求められることです。
一般の看護師が日常的な看護ケア全般を担当するのに対し、認定看護師は自身の専門分野において、より高度で専門的なケアを提供します。
例えば、皮膚・排泄ケアの認定看護師であれば、一般の看護師からの「この褥瘡の処置方法について相談したい」という声に応え、最新のエビデンスに基づいた処置方法を提案します。また、院内の褥瘡予防対策の立案や、スタッフへの教育も担当します。
責任範囲についても、一般の看護師より広くなります。専門分野における看護ケアの質を保証する責任があり、病棟や病院全体の看護の質向上にも関わっていきます。そのため、常に最新の知識や技術を学び続ける姿勢が必要です。
2-4.実際の活動事例と現場での役割
ここでは、実際の認定看護師の活動について、具体的な事例をもとにご紹介します。
感染管理認定看護師の場合、新型コロナウイルス感染症への対応として、院内の感染対策マニュアルの作成や、スタッフへの防護具の着脱指導、感染症患者の受け入れ態勢の整備などを行います。
また、院内で感染症が発生した際には、拡大防止のための具体的な対策を立案し、実行していきます。
緩和ケア認定看護師は、がん患者さんの痛みのコントロールや心理的なケアを専門的に行います。医師と協力しながら、患者さんやご家族の希望に沿った緩和ケアを提供し、QOL(生活の質)の向上を支援します。
また、一般の看護師に対して、緩和ケアの知識や技術を指導する役割も担っています。
このように、認定看護師は各分野で専門性を活かしながら、患者さんへの直接的なケアだけでなく、スタッフへの指導や相談対応など、多岐にわたる活動を行っています。
その活動を通じて、医療現場全体の質の向上に貢献しているのです。
3.認定看護師のキャリアパスとライフスタイル
認定看護師の具体的な役割や活動内容について理解を深めていただいたところで、次は認定看護師として働く中での将来性やライフスタイルについてお伝えしていきます。
3-1.認定看護師取得後のキャリア展開
認定看護師の資格を取得すると、キャリアの可能性は大きく広がります。専門分野のスペシャリストとして、さまざまな場面で活躍の機会が増えていきます。
多くの認定看護師は、まず所属している病院や施設で、専門分野のリーダーとしての役割を担うようになります。
例えば、感染管理認定看護師であれば、院内の感染対策委員会の中心メンバーとして活動したり、新人看護師の教育担当として指導的な立場に就いたりします。
キャリアを重ねていくと、病院全体の看護の質向上に関わる役職に就くケースも少なくありません。看護部の管理職として、より大きな視点で病院の看護体制の整備に携わることもあります。
また、教育機関で後進の指導にあたったり、学会や研究会で専門的な知見を発表したりと、活動の場は病院の外へも広がっていきます。
3-2.給与・待遇面での変化
認定看護師の資格を取得すると、給与面でも待遇面でも変化が見られます。ただし、その内容は施設によって異なりますので、具体的な条件は各施設の規定を確認する必要があります。
給与・待遇の比較表 | ||
---|---|---|
項目 | 一般看護師 | 認定看護師 |
基本給 | 標準 | 標準+役職手当 |
資格手当 | なし | 2-5万円/月 |
夜勤 | あり | 原則として日勤のみ |
学会参加費 | 自己負担中心 | 施設負担中心 |
給与面では、多くの場合、資格手当が追加されます。金額は施設によって異なりますが、月額2万円から5万円程度の資格手当が支給されるケースが一般的です。
また、専門的な活動に対する評価として、基本給そのものがアップすることもあります。
待遇面では、勤務形態の配慮がなされることが多くなります。専門的な活動時間を確保するため、通常の病棟勤務とは異なる勤務形態が採用されることがあります。
また、学会や研修会への参加費用が施設から補助されるなど、継続的な学習のサポートを受けられる環境が整っていることも特徴です。
こうした給与・待遇面での変化は、専門性の高い仕事に対する評価として設定されています。
ただし、これは責任の増加も意味することを忘れてはいけません。より高度な知識と技術が求められ、病院全体の看護の質向上に対する責任も担うことになります。
3-3.働き方の特徴と生活への影響
認定看護師の働き方には、一般の看護師とは異なる特徴があります。その特徴は、生活スタイルにも大きく影響します。
まず、勤務時間について見てみましょう。認定看護師は専門的な活動に時間を確保する必要があるため、多くの場合、日勤帯での勤務が中心となります。
夜勤が少なくなる、あるいはなくなることで、生活リズムが安定しやすくなります。私が支援してきた看護師の方々からも、「家族との時間が作りやすくなった」という声をよく聞きます。
また、一般病棟での勤務と比べて、緊急対応に追われることが少なくなります。その代わり、専門的な判断や指導、相談対応など、計画的に進める業務が増えていきます。
このため、自分のペースで仕事を組み立てやすくなり、ワークライフバランスを取りやすい環境となります。
ただし、院内での研修会や委員会活動など、時間外の業務が発生することもあります。また、学会や研究会への参加など、休日に専門性を高めるための活動が必要になることもあります。
これらの活動をいかに効率的に進めていくかが、充実した生活を送るためのポイントとなります。
3-4.さらなるキャリアアップの可能性
認定看護師の資格を取得した後も、キャリアアップの可能性は広がり続けます。さらに専門性を高めることで、新たな活躍の場が開けていきます。
その一つの選択肢が、専門看護師(CNS)への挑戦です。専門看護師は、より高度な看護実践能力を持つ看護師として認定される資格です。
大学院修士課程での学習が必要となりますが、認定看護師としての経験を活かしながら、さらに高度な実践能力を身につけることができます。
また、看護管理者としてのキャリアを目指すこともできます。認定看護師としての経験は、病棟や部門の管理職として活躍する際にも大きな強みとなります。
実際に、多くの認定看護師が看護師長や副看護部長などの管理職に就いています。
さらに、教育者としての道も開かれています。認定看護師教育課程の講師や、看護学校の教員として、後進の育成に携わることもできます。私が知る限り、教育現場では実践経験豊富な認定看護師の需要が高まっています。
このように、認定看護師資格の取得は、キャリアアップの通過点となり得ます。自分の興味や目標に応じて、さまざまな方向性を選択できることが、認定看護師の魅力の一つといえるでしょう。
4.認定看護師資格取得の実際と体験談
認定看護師としてのキャリアパスやライフスタイルについてご理解いただいたところで、実際の資格取得に向けた具体的な準備や心構えについてお話ししていきます。
これまでの転職支援の経験から、多くの看護師の方々の実体験をもとにご説明します。
4-1.勉強と仕事の両立方法
認定看護師を目指す多くの方が直面するのが、仕事と勉強の両立という課題です。教育課程での学習は非常に濃密で、これまでの臨床経験だけでは対応できない専門的な内容も含まれています。
私が支援してきた方々の経験から、効果的な両立のポイントをお伝えします。
まず重要なのが、早い段階での職場への相談です。多くの病院では認定看護師の育成に前向きですが、勤務調整には時間がかかります。半年から1年前には上司に相談し、準備を始めることをおすすめします。
学習面では、教育課程の開始前から少しずつ準備を始めることが効果的です。特に解剖生理や病態生理などの基礎的な内容は、事前学習で押さえておくと、教育課程での学習がスムーズになります。
4-2.資格取得までの現実的なタイムライン
認定看護師を目指すにあたり、具体的な時間の流れをご説明します。資格取得までには、準備期間を含めておよそ2年程度を見込んでおくと良いでしょう。
1年目は準備期間として、基礎知識の習得と実務経験の蓄積に充てます。ある皮膚・排泄ケア認定看護師の方の例をご紹介します。
4月:上司への相談、病院の支援制度の確認
5-6月:基礎医学(解剖生理)の復習開始
7-9月:専門分野の学会・研究会への参加
10-12月:分野に関連する論文や文献の学習
1-3月:教育機関の情報収集、見学会への参加
2年目からは本格的な受験準備と教育課程の受講が始まります。
4月:教育課程への出願
5月:入学試験
6-12月:教育課程での学習
1-2月:認定審査の準備
3月:認定審査の受験
Aさんは、「事前の準備があったからこそ、教育課程での学習に専念できました。特に解剖生理の復習は、専門的な学習の土台として本当に役立ちました」と振り返っています。
このタイムラインは一例ですが、多くの方が乗り越えてきた道筋です。計画的に準備を進めることで、無理なく目標達成が可能です。
4-3.よくある悩みと解決方法
認定看護師を目指す過程では、さまざまな悩みに直面します。ここでは、私が看護師の方々から実際によく相談を受ける悩みとその解決方法をご紹介します。
- 学習面での不安:教育課程での勉強についていけるか心配
- 時間の確保:仕事と学習の両立が難しそう
- 経済的な不安:学費や生活費の工面について
学習面での不安への対策
特に臨床経験が長い方ほど、久しぶりの学習に不安を感じやすいものです。この場合は、教育課程が始まる前から、基礎的な医学知識の復習を始めることをおすすめします。また、多くの教育機関では、入学前の事前学習プログラムも用意されています。
時間確保の対策
早い段階での職場への相談が重要です。多くの病院では認定看護師の育成に前向きですが、勤務調整には時間がかかります。半年から1年前には上司に相談し、準備を始めることをおすすめします。
経済面での対策
多くの病院で資格取得支援制度が整備されています。また、教育訓練給付金の制度も活用できる可能性があります。まずは、自分の病院の支援制度について人事部門に確認してみましょう。
4-4.資格取得者の声と後悔しないための準備
私がキャリアアドバイザーとして関わった認定看護師の方々から、資格取得後によく聞く声をお伝えします。
「もっと早く取得すれば良かった」という声は多くの方から聞かれます。資格取得によって視野が広がり、看護の奥深さを再発見できたという方が大勢います。
また、「仲間との出会いが大きな財産になった」という声も。教育課程で出会う仲間たちは、同じ志を持つ大切な存在となります。
一方で、「事前の準備をもっとしっかりしておけば良かった」という声も聞きます。
特に解剖生理や病態生理などの基礎知識は、早めの準備が効果的です。また、自分の目指す分野の最新の知識や技術についても、事前に学んでおくと学習がスムーズになります。
救急看護認定看護師のBさん(35歳)の体験談をご紹介します。
特に良かったと思う準備は、基礎医学の復習と、実践経験の積み重ねです。救急の現場で様々なケースに関わりながら、教科書の知識と実践をリンクさせていく。その繰り返しが、今の自分の土台になっています」
この声は、私がキャリアアドバイザーとして関わった認定看護師の方々の典型的な例です。
まとめ:認定看護師を目指すあなたへのアドバイス
今回は、認定看護師の資格取得に向けた具体的な要件や準備、そしてキャリアの展望について解説してきました。
認定看護師の資格取得は、決して簡単な道のりではありません。しかし、適切な準備と強い意志があれば、必ず達成できる目標です。
資格取得の成功のポイントは、計画的な準備にあります。
早い段階から目標を明確にし、必要な情報を集め、周囲のサポートを得ながら、着実に準備を進めていくことが大切です。
また、資格取得は終着点ではなく、新たなスタートです。
取得後も継続的な学習と実践を重ねることで、専門性の高い看護師として、より多くの患者さんやスタッフの力になることができます。
認定看護師という道を選ぶことは、看護師としての大きな転換点となります。不安もあるかもしれませんが、それ以上にやりがいのある素晴らしい選択肢だと私は確信しています。
ぜひ、自分の目指す看護の実現に向けて、一歩を踏み出してみてください。
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